内臓疾患による痒み
ムズムズ背中が痒いと、当然ながら落ち着かないものです。あまり露出しない部分ということもあって、あまり気にせずにボリボリ掻きむしったりすることも多いようです。睡眠中などにも無意識に掻いてしまって、それで皮膚の状態を悪化させてしまうこともあります。
背中が痒いというのは何らかの皮膚の疾患かと思ってしまうかもしれませんが、実は内臓などが原因となっている場合もあります。そんな事ってあるのか？と思うかもしれませんが、実際には珍しい事ではないようです。重いケースは放置していると大変ですので、まずは重大な原因からお話していきます。
まずは「肝臓病」が原因の場合です。内臓に何かしらの異変があり、皮膚に痒みが出てくる事を通称「デルマドローム」と呼ぶそうです。肝臓の機能が低下してくると、「ベータエンドルフィン」という快楽ホルモンの一種となる物質が脳から分泌され、それが痒みを発生させることになります。
疾患名としては「原発性胆汁性肝硬変」、「肝臓がん」などで、血液中の物質が変化し、皮膚神経が敏感になります。肝臓の異常を知らせるサインです。一般の皮膚疾患とは違って、脳から体内中の物質を直接刺激するので、いくら掻いても治りません。病院に行きましょう。
「腎臓病」も原因になります。腎臓は体中の血液を濾過し、老廃物を体外に出す役割を果たしていますが、その機能が低下すると、老廃物が全身に溜まってしまいます。そのために皮膚が痒くなります。
具体的には「慢性腎不全」、「多発性嚢胞腎」、「慢性糸球体腎炎」などです。人工透析が必要な末期状態になっている可能性もあるので、心配なら精密検査を受けるようにしましょう。